オーディオケーブルの設計
09/4/29
てますぺブログ;Theme;Spatialityの4月25日から28日に「音質評価とオーディオ観」と題した高尚な議論展開がされていました。残念な事にこのブログはコメントを受け付けてなく、私見を書く事が出来ませんでした。
オーディオファンと言う立場ではなく、オーディオ用ケーブルを設計、製造する立場からすると、てますぺさんとは少し違った物の見方が必要だと感じています。
先のブログで書きましたが、アンプの製作者は自分のアンプに合わせてケーブルを造り上げることが出来るのですが、AVCTのように対象が多くのオーディオファンと成りますと、個別の機器の音質改善を目的にする訳にはいきません。
ケーブルは電気的には簡単な等価回路の受動素子でありますので、汎用性を持たせると、広帯域で高解像度のものが良いであろうと思われます。そこでケーブル設計理論を活用して、理想型を追う事になります。でも最後にはオーディオシステムを通して音を聴いてみないと、狙いの設計通りなのかは分からないわけで、この評価も重要に成ります。これは汎用性の高いシステムで評価しなければならず、又、経験豊かな専門家の方の耳も必要に成ります。
往々にして、広帯域、高解像度のケーブルは他のオーディオ機器の欠点もさらけ出しますので、高価な愛用の機器をお持ちの愛好家の方は、自分の愛器の欠点が出てしまうと、”このケーブルはろくでなしだ”と評価される事も多いでしょう。これは勝手なケーブル設計者の弁では有りますが・・
私はオーディオに興味はありますが、しがない貧乏サラリーマンでしたから高価なシステムやオーディオルームを持っている訳では有りません。これは偶然でしょうが、ケーブルの音質評価に私の使用している機器は、てますぺさんが先ごろご推奨していた入門者用アンプです。あまり特殊な機器を使用するとケーブル評価の汎用性が失われると言うのが言い訳ですが・・・
これは先日も書きましたが、「ケーブルの音は誘電体歪が悪い」といって、誘電体歪とはどんなもので、それがどんな悪さをするか、の説明が無いと、これは技術的な、客観的な説明とならないのです。物造りをするものは、そこに理論的な説明とデーターを示す事で、音と言う主観的なものと、理論と言う客観を結び付けると私は考える次第です。
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