シリコン樹脂とシロキサンの発生
09/10/9
シリコン樹脂は我々の身の回りに多く使われている材料です。私の専門分野の電線・ケーブルにしても、シリコン樹脂電線は耐熱温度が180℃とフッ素樹脂に次ぐ耐熱性を有しています。
シリコン樹脂はそれ以外にも潤滑材として、又、放熱フィラーを配合した放熱シート、電子機器のノイズ対策に磁性材料を配合したEMIシート等も造られています。
PCオーディオ等で、PCを自作される方にはご存知の方がいらっしゃると思いますが、CPU等の放熱フィンへ熱伝導を良くする為に、上記した放熱シートやEMIシートが使われますが、この際の注意として、シリコン樹脂製のもには、シリコン樹脂の低分子量の”シロキサン”が樹脂から出てきて、このシロキサンが絶縁性が優れているために、他の部品やコネクタの接点を覆い、導通不良を起こす危険性があると言うことです。この為、大手メーカー製のPCやゲーム機ではシリコンゴム以外の材料、又はシリコンゴムの場合には事前に加熱してシロキサンを発散させたシートが使われています。
電線の場合もシリコンゴム電線は柔軟性があり稼動する接点等にはこの意味で適していますが、密閉型のリレーで使用するとシロキサンの影響で接点障害を起こすことが知られており、他のアウトガスの少ない架橋した柔軟性材料が使われています、この分野の電線には離型用に使用する液状シリコンの使用も禁止されています。
最近、オーディオ機器の接点復活剤の記事を読んでいましたら、ベースにシリコン樹脂を使用したものが在る様で、ちょっと疑問を感じています。
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