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2011年3月23日 (水)

伊佐様の実験に関しての技術計算

11/3/23

 福島原子力発電所の被災は、自衛隊の特殊部隊、消防庁のレスキュー隊の決死の御努力によって、拡大が防がれていますが、長期戦の様相で、原発事故発生時の影響は甚大で、今後は自然エネルギー活用にシフトしていくのではないでしょうか? 日本の全ての住宅に太陽光発電パネルを載せると、日本の全消費電力の8倍程度を発電できる様です。これはコストを当然考える必要がありますが、今回のような被災金額まで加算すると、有望な代替案になるのではないでしょうか?

 それはさておき、

 伊佐様が、VFFという電源コードを用いて、実験をしてくださいました。結果はコメント欄に掲載されていますが、この実験に対して、挿入損失を計算して、実際の音質評価結果と照らし合わせて見たいと思います。

  私が皆様に提案させていただいた実験内容を再度以下に記します;

① 2心平行コードをスピーカーケーブルとして音の評価をして頂く。

② 平行コードの2心を引き裂いて、絶縁線心を離して音を評価して頂く。

①②で評価していただいた音質に差が有りますか? と言うものです。

伊佐様の実験;

仕様ケーブル;KHD社製 1.25m㎡(50本/0.18mm)VFF平行コード

使用長;約1.7m

分離した場合の線心間の距離;平均8cm

音質評価結果(コメント欄に本文掲載をしています。)の主要部を以下に転記します。

********************************

先ずVFF平行コードをそのまま繋いでみました。(A)
次に同じコードで向きを変えてみました。     (a)

次に同じコードを引き裂いて出来るだけ離して繋いでみました。  (B)
次にそのコードで両方とも向きを変えてみました。    (b)

次にそのコード(B、b)の片方を向きを変えてつないでみました。(C)
次にそのコード(C)で両方とも向きを変えてみました。     (c)

上記のように6通りの実験で私が認識した結果を記します。

一番透明度があり、高域も低域もワイドで質感が良く聞こえたのは(C、c)グループで次に良かったのが(B、b)グループ、(A、a)グループでした。
なおグループで表示したのは、すでに御存知かと思いますが、コードには方向性が有ることを認識していたからなのです。
以上の結果は科学的な理論を基に記しているのではなく、あくまでも私が聴き取った認識ですからプラシーボ効果が影響していることが有るかも知れませんが、結果の良し悪しは皆さんの御判断次第です。

「以下は追加評価の記載です」
音量については、さほどの変化は感じられません。しかし、(A、a)と(B、b)は少し、うるさい感じのため音量が上がったかのような印象です。 (C、c)は少し、おとなしくなって音量が下がったように感じますが、増幅度を上げても、うるさくはなりませんでした。

*********************************

 上記実験条件に対して「AVケーブルの教科書」でも示しています、ケーブルの挿入減衰量(挿入損)を計算してみました。その結果を添付資料に示します。計算の条件は、アンプはDF=100(at8Ω)即ち、出力インピーダンス=80mΩ、スピーカーはFostex FX-200のインピーダンス周波数特性を使用しました。

「isa_cable.pdf」をダウンロード

 このグラフをご覧になった”ケーブルで音が変わらない派”の方は、きっと”こんな小さな差を聞き取る事は不可能だ!!”とヒステリックに発言されるでしょう。しかし、この違いはケーブルで音が変わることを理解するアプローチの過程であると考えていただければ良いのです。伊佐様の御評価と理論計算に一致する傾向が見られれば、この様なアプローチが、音質傾向を知る手立てに成ります。あえて再度申し上げますが、音が変わらないと仰る方には無関係な問題です。

 グラフは3枚あります。1ページ目は今回の実験の条件で算出した挿入損失のグラフです(縦軸;リニア)

紫色;平行2心コード(VFF)の挿入損失特性

青色;線心を分離した場合の挿入損失特性

緑色;参考 AVCTのSP-6Pの挿入損失特性

2ページ目は1ページ目の縦軸を対数軸にして、スピーカーのインピーダンス周波数特性を加えました。

3ページ目は2つのケーブルのR,L,C,Zo,αの特性を示しています。

 線心間を分離した青色の特性に着目しますと、紫色より損失量は10kHzまでは低い事が分かります。この主因は静電容量が3ページに示しますように小さくなっていることにあります。10kHz以上では紫、青の線は逆転します。これはスピーカーとのインピーダンスマッチングの問題が主因と考えます。無理やり?特性と試聴結果を合わせると;

・全体としては青色の線のほうが紫色よりフラットの特性です。⇔フラットの好ましい感じ

・高音域では紫色の低下傾向が急峻⇔音がうるさいと言う感じ

でしょうか?

 グラフをご覧のように、ケーブルの構造が変わると電気特性が変わり、音を聴き分け出来る方には、音質も変化すると言う事がお分かりいただいたと思います。又、挿入損失全体の形状は、スピーカーのインピーダンス周波数特性の影響を色濃く映し出している事が分かります。今回の実験は同じ導体のケーブルをちょっと引き裂いただけですが、参考に記したAVCTのSP-6Pの様に、最初から広帯域・高解像度を狙ったケーブルではVFF平行コードより挿入損失特性は明らかにフラットな周波数特性と成ります。

 これをご覧になられた方はこの結果をどの様に御評価されますか??

 再度記しますが、音が変わらないと仰る方はコメントを送らないで下さい。送られても公開しません、何故ば立場が違うからです。

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コメント

根岸様 
開示いただいた理論計算値と私の聴感がほぼ一致したことに、ほっと胸をなでおろして嬉しく思っております。
ごく僅かな違いのため高音が、どうだとか低音が、どうだとかと言う違いではなく、音楽を聴いていて、楽器の音が、なんとなく賑やかに聞こえたり、落ち着いたような感じにきこえる、と言うような僅かなちがいのため、ソフト制作側の加工いかんによっては、マスキングされたりして違いが解からない方たちが、居られても、いたしかたないのかもしれませんね。

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