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2011年11月 1日 (火)

集中定数回路 vs 分布定数回路、スピーカーケーブルの長さで音が変わるか?

11/11/1

 此処の所、妻が不在で、家事に忙しく、当ブログへの書き込みも減ってしまっています。来週になれば復帰するでしょう。

 ところで、以前に当ブログで、ケーブルの技術的扱い方に疑問を持つと指摘したサイトの掲示板をたまに見ると、「ケーブルで音質は変わらない」と主張しているサイトにしては、ケーブルに関する事項が多く投函されています。

 最近目にした事項その1ですが、”集中定数回路 vs 分布定数回路”の違いで一時期議論が混乱していました。ケーブルを集中定数回路とみるか、分布定数回路とみるかは、伝える信号の波長とケーブルの長さで決まってきます。これは当方URL「AVケーブルの教科書」§3の課題1の冒頭に説明がされています。又、MJの2010年3月号「ケーブルの減衰量と挿入損失」(「AVケーブルの教科書」にも転載しています)にも記載があります。更に詳しく知りたい方は下記の書物に分かりやすい解説がされています;

鈴木茂夫著”分かりやすい 高周波技術入門” 日刊工業新聞社発行  の主として4章

 簡単に言えば、アナログオーディオ(音声帯域)用ケーブルは全て集中定数回路として扱えます。100kHzを超えた信号を扱う場合には、ケーブル長によっては分布定数回路として扱う必要があります。

 高周波同軸ケーブルやLANケーブルはポリエチレン(PE)絶縁でほとんどのものが造られますが、”PE絶縁ケーブルの1mが1波長と成る周波数は200MHz”である事を覚えていると役立ちます。分布定数回路ではインピーダンスミスマッチによって信号の反射による減衰(リターンロス)や共振が問題となりますが、これは概ね1波長の1/10程度の周波数(上記では20MHz)から問題となります。(MJ記事には共振による挿入損失変動がグラフで示してあります。)

 

 第2のテーマは、スピーカーケーブルの音質はケーブルを長くしていった時にどの様に変化するか? です。

 集中定数回路では、入力端と出力端の位相はほぼ同じです。又、電気回路論の教科書にある4端子回路網では、同じ回路を直列に幾つも繋いだ場合は、特性インピーダンスに変化はなく、伝搬定数(減衰量が含まれる)は繋いだ回路の個数倍になる、と記載されています。ケーブルは金太郎飴と同じでどこを切っても同じ顔(4端子回路)ですから、スピーカーケーブルの長さを長くしていった場合には、減衰量が増えますので音量が下がりますが、特性インピーダンスに変化が無い事から、音質傾向的には長さによる変化はほとんど起こりません。一昨日掲載したLANケーブルのテーマで100mまでの計算をしてありますので、一昨日の添付資料を参照して下さい。音質に変化が出るとすれば一昨日のテーマの中でも述べましたがダンピングファクターが変化する等の、アンプ、スピーカー回路との関係からです。

 又、この掲示板では500mのケーブルの音を回路素子で代替して評価をしていますが、この方法には問題が有ります。固定の回路素子は周波数的には一定ですが、ケーブルのR,L,G,C、は周波数により変動します。導体は皆さんよく御存知の表皮効果の影響で、導体径の1/2が表皮深さと一致した周波数以上で導体抵抗が上昇します。表皮効果では導体が中空状態となりますので、インダクタンスは低下をします。静電容量はPVCの様な材料を使用すると、比誘電率が周波数の上昇に伴って低下しますので、小さくなります。この様な変動を加味しないと音質は語れません。集中定数回路だからといってケーブルの場合には固定素子で単純に置き換えは出来ません。

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