LANケーブルをスピーカーケーブルに使ってみる;技術説明その2
13/6/18
当ブログの2011年9月4日付け”LANケーブルをスピーカーケーブルに使ってみる”と題したテーマへのアクセス数は大変多く、2011年10月30日付けで、かなり突っ込んだ技術検証をしています。ここでの結論は、LANケーブルの4対の絶縁線心をパラレル接続して1対にしてスピーカーケーブルとして使用すると、小型のスピーカーシステムにおいては、解像度の良い広帯域の音質が得られる事が予想されると言うものでした。
今回は広帯域。高解像での音質が得られると高い評価を頂いている、AVCTのSP-6Pスピーカーケーブルとの比較をしてみました。比較データーは次の通りです。
「Cat6UTPvsSP6P.pdf」をダウンロード
(因みに、アンプの出力インピーダンスは80mΩ、スピーカーのインピーダンスは8Ωの一定値としています。)
今回は実用を考慮して、3mでの挿入損失(以下”IL”と記す)を計算してみました。グラフ上では青色の線です。特性項目の頭に”4P”と記してあるのがLANケーブルの4対をパラレル接続した場合の特性です。
LANケーブルとSP-6PのILはLANケーブルの方が10倍大きい、即ちケーブル内で失うエネルギーは10倍大きいと言う事です。この事は大型のスピーカーシステムで、大きな電流を瞬時に流さねば成らない、特に低音域の音に対しては不利となります。
しかし、LANケーブルのILの周波数特性は100kHzまで横一直線であるので、SP-6Pよりも高音域の帯域は広い事が予想されます。この横一直線である特性は導体が0.5mmの単線で細い為に、表皮効果の影響が100kHz程度まで顕著に現れない事と、静電容量の値が絶縁体にポリエチレンを採用している為に一定である事に起因しています。この様に多対ケーブルをパラレルに使用すると、広帯域の音質が得られるのです。
この様な構造要因だけで音質が決まるわけでは有りませんが、スピーカーケーブル選定時の参考にされると良いと思います。
高解像度の音質を指向される方は、街の電気製品量販店でLANケーブルは100¥/m程度で購入出来るでしょうから、一度確かめてみるのも良いでしょう。
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