LANケーブルをスピーカーケーブルに使ってみる;この時の問題は?
AVCTのお客様が、イーサネットLAN用に使用される、4対のケーブルを、端末で4対をばらして、各4本の絶縁電線をショートして、1対のスピーカーケーブルとして使用したところ、そこそこの音質を得られた、とのお話を頂きました。
この様な使用方法はケーブルが短い場合には聞き取れないこともあるのでしょうが、LANケーブルは、4対に異なった信号を伝達するために、LANケーブルでの使用方法で問題になる対間の”漏話”を低減するために、4対は、対よりのピッチを変えてあります。この結果、短いピッチで撚った対の導体長は、長いピッチで撚った対の導体長より、導体長が数%長い事に成ります。
この原理は、2心の導体が構成するループを対ごと変える事で、漏話の結合量を減らす効果があります。
この様に導体長が異なった絶縁電線の4本を端末でショートして、1回線のスピーカーケーブルを構成すると、4対の導体に流れる音楽信号は導体の長さが異なった分、音質的には濁った音になる可能性があります。これを耳で聴き取れるか否かは、各自の聴感感度に因ることになるでしょう。仮に聴き取れなくとも、LANケーブルの本来の使用方法に合ったケーブル設計は、1対のスピーカーケーブルをLANケーブルで加工した場合には適さないというのが、ケーブル設計上からの結論です。
しかし、此の若干の電気信号の時間差が、聴感上は好ましい結果を生む可能性はあるかもしれません。解像度は悪くなりますが、音楽的には、好ましいと聞こえることもあり得るか???。
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